規制だらけの保安基準
自動車という工業製品は、実に不思議なものです。
同じ工業製品でありながら、洗濯機や冷蔵庫をチューニングして喜んだり、いじり回すことに快感を覚える人は寡聞して知りませんが、自動車いじりを趣味にしている人、チューニングに命をかけている人は周りにいることでしょう。
ところが、ここ日本で自動車に熱を上げれば上げるほど、規制にぶち当たります。
保安基準や道路運送法です。
チューニングの喜びを味わえば味わうほど、法律に触れるのではないか、といった後ろめたさが増します。
ところが、これだけモーターショーが発達して、情報が豊富になっていますが、そのことに対してははっきりと書いてある本などはありません。
ですから、何ら問題のないポート研磨をやったときですら、「もしかしたら悪いことでもしてるのではないか」と、どこかで自責の念がわき起こりがちなのです。
車の改造は、日本では「道路運送車両法の保安基準」によって縛られているのですが、その法律自体が昭和26年につくられたものです。
中古車販売業のカーライフ・カスタムなどもそういった基準を守りながら商売を行っています。
もちろん時代に合わせてそのつど改正は行われてはいますが、そこに流れるものは43年前のあまりにも古いものです。
自動車をめぐる環境問題を地球的規模で考え、実行に移していかなくてはいけない時代です。
43年前に制定された法律に縛られている国民は、誰が見たってちょっと変と言えるでしょう。
私個人としては、ちょっとどころか、大いにおかしいと感じます。